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う規制緩和方策は具体的な進展をみたものの1つである。高度情報通信社会推進本部において強い方針がまとめられたことも、進展を図る上でインパクトになっていると考えられる。また、方針がまとめられただけではなく、各省庁に対して実施状況の報告を求めるフォローアップをとることにしたことも、各省庁の実施を促進したと考えられる。保存、申告の電子化による規制緩和の進捗状況は以下のとおりである。

?@ 書類の電子データによる保存

法令で民間事業者等に書類の保存を義務づけている件数は全省庁で909件であり、うち、電子データによる保存を容認しているものは平成8年4月末現在で、84件(9.2%)にとどまっており、実施予定という回答の96件を加えても全体の20%弱であった。

電子化の容認を検討中とされている141件の中で、特に民間事業者から要望が強く、電子化のメリットが高いと考えられる税務関係書類が56件と全体の40%弱を占めている点が特徴的である。これら税務関係書類の電子化については、後述するように、実現までには多くの技術的、制度的課題が残されているものである。

平成7年2月に実施されたフォローアップによると、平成9年度末までに容認されることが予定されているものが、全体の40%近くになるとされ、保存の電子化容認が進展していることは評価される。

?A 申告・申請手続の電子化・ぺーパーレス化

全省庁で7,709件の申請・届出等手続があり、このうち、電子化が実施されているものは平成8年4月末現在で110件(1.5%)にとどまっていた。各省庁が、電子化する際の問題点として指摘している主な事項は、件数が少なく、反復・継続的に行う手続ではないこと、電子化した際に真正性が保証できない添付書類や図面等複雑な添付資料が多くあること、システム整備等に多大な費用、労力等を要し、国民等及び行政機関のメリットが少ないこと等である。

上記と同様のフォローアップの結果、既に実施済のものが149件で全体の1.8%にとどまっている。平成9年度内に実施予定されているものが全体の10%程度にとどまる。書類の電子保存と比べ、容認する率が小さいことは、受け手の行政機関は1つであるが、申告者は多数であり、それだけに申告者側のシステムが多種多様であり、行政側の受理システムの構築が技術的、経費的に困難であることを意味している。

また、本人確認、送信データの完全性の確認及び送受信確認のための認証に関する

 

 

 

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